
『かがみの孤城』ってどんな小説なんだろう?
と気になっている方へ。
この記事では、
を書いています。
『かがみの孤城』の紹介
- 著者:辻村深月さん
- 出版社:ポプラ社
2018年『本屋大賞』受賞作品で、2021年3月に文庫版、上巻・下巻が発売されました。
また、発行部数が『累計100万部』を突破してます。
では早速、小説『かがみの孤城』を読んでみて思ったことをあまりネタバレはしないように書こうと思います。
参考になれば幸いです。
私が実際に読んで感じたことですが、『かがみの孤城』では不登校に関することが書かれていました。
学校のことで嫌な思い出があって、「思い出しただけでもつらい」と感じる方は、読むのに注意が必要かもしれませんのでお気を付けください。
小説『かがみの孤城』がおすすめな方
- 伏線・謎がある作品が好きな方
- 感動する作品を読みたい方
- 学生の方
小説『かがみの孤城』のあらすじ
あなたを、助けたい。
学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。
引用元:ポプラ社
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小説『かがみの孤城(文庫版上巻・下巻)』の感想
私が小説『かがみの孤城(文庫版上巻・下巻)』を読んでみて印象に残ったことは、
- 上巻
- 学校に行けなくなったこころの心理描写
- 7人の子供たちの関係
- マサムネの勇気
の3つと、
- 下巻
- 決断した7人の結果
- 次々と明かされていく謎
- 印象的なエピローグ
の上巻・下巻それぞれ3つずつです。
『かがみの孤城(文庫版)』上巻の感想
上巻では一年のうち、
- 一学期(5~8月)
- 二学期(9~12月)
の出来事が書かれています。
学校に行けなくなったこころの心理描写
『ある出来事』で、学校に行けなくなってしまった『こころ』の心理描写に、共感できるところばかりでした。
なぜなら私も不登校になってしまった経験があったからです。
少し内容に触れるとこころの不登校には『友達』が関係しています。
辛いんですよね、理由が友達って。
だって今まで、昨日まであんなに仲良く笑い合っていたのに、次の日合うと人が変わってしまったように「え?誰?」みたいな感じになってしまう。
『かがみの孤城』では何か所も、
- 「自分も同じ気持ちになった」
- 「自分も同じ行動をした」
というところがありました。
今だからこうやって書けますが、当時はこころと同じような気持ちを抱えていたんです。

まるで当時の自分の気持ちを代弁しているかのような、『こころ』の心理描写が印象に残りました。
こころを含めた7人の子供たちの関係
鏡の世界に集められたこころを含む7人の子供たちの関係が私には魅力的に見えました。
まず上でも書きましたが、私自身が不登校を経験したことがあったので、ことあるごとに『こころ』に自分を重ねて読んでいたんです。
そんなときに、『こころ』の前に現れた6人の子供たち。
そもそも『なぜこころを含めた、7人の子供たちが鏡の世界に集められたのか?』という謎はありますが、こころも最初は戸惑います。
やっぱり怖いんですよね、いきなり自分と同じような学年の人に会うって。
しかし、徐々に6人と関係を築いていく過程が印象的でした。
初めましての状態で相手と話したいんだけど、自分から声をかけるのも勇気がいる。
相手から声をかけられたとしても、声をかけた側もきっと勇気がいると思うんです。
私も不登校のときは同じような気持ちでした。
だけど、ふとしたきっかけで一度話してしまえば、自然と話せるようになる。
そんな子供たちの心理描写がリアルで、こころの気持ちが明るくなっていく希望のようなものを感じました。

こころを含めた7人のそれぞれの人物のキャラクターがみんな違っていて魅力的でした。
マサムネの勇気
7人の子供たちの1人、『マサムネ』という少年がある提案をします。
勇気を振り絞ったマサムネが印象的でした。
なぜなら、マサムネがした提案はものすごく勇気がいることだったからです。
読んでいて、「大丈夫?」という不安と、『背中を押してあげたい気持ち』が同時に込み上げてきました。
というのもマサムネがした提案は、『心の中で思う』ことと『家族に伝えるだけ』だと、かなり不安はあるものの、押しつぶされるようなプレッシャーってないと思うんです。
しかし周りの人(『かがみの孤城』でいうと鏡の世界にいる子供たち)に伝えるって、膝が震えたり、涙が出るかもしれないくらい勇気がいると思いました。
だけどプレッシャーを乗り越えてほかの6人に提案を伝えたマサムネ。

マサムネだけではなく、7人の子供たち全員を応援したくなった、印象的な場面です。
『かがみの孤城(文庫版)』下巻の感想
下巻では、
- 三学期(1~3月)
の出来事が書かれています。
決断した7人の結果
上巻の終盤『マサムネ』が6人に提案した事を7人の子供たちが実行します。
読みながら、私はうすうす展開を予想していました。
しかし、内心「予想通りにはならないほうがいいな~」と思っていたんです。
ところが予想は当たり、「これはつらいぞ…」と切ない気持ちでいっぱいになりました。
「辻村さん、実際ならなかなか立ち直れませんよ~!」と思わず言ってしまいたくなるような結果が印象に残っています。

読んでいて自分を重ねてしまって、つらかった場面でした…
次々と明かされていく謎
次々と明かされていく『謎』に読む手が止まりませんでした。
そもそも、
- なぜ7人の子供たちなのか?
- オオカミさまは何者なのか?
- 鏡の世界ってなんなのか?
など、『かがみの孤城』では様々な謎が散りばめられています。
まるでミステリーのような、作中に散りばめられた謎が少しずつ明らかになっていって、物語が繋がっていくときのワクワク感。

「あの部分はこういうことだったのか!」というスッキリする気持ちになっていって、どんどん続きが知りたくて一気見しました。
印象的なエピローグ
エピローグも印象的だったんです。
ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、「最後にこの話を持ってきたか~!」と気持ちが高揚しました。
もう書いてある物語がメッチャいいんです。
私的にはエピローグで書かれていたことが、物語で重要な部分だと感じていたので、まさかエピローグに持ってくるとは予想外。

しかし最後まで読んだからこそ、より一層印象に残るエピローグに感じました。
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小説『かがみの孤城(文庫版)上巻・下巻』を読んだ感想のまとめ
今回の記事では、
- 小説『かがみの孤城』がおすすめな方
- 小説『かがみの孤城』のあらすじ
- 小説『かがみの孤城(文庫版)上巻・下巻』の感想
を書きました。
とにかく、こころを含む7人の子供たち心理描写がリアルで、思わず感情移入してしまう小説です。
大人はもちろんですが、主人公たちと同じ中学生や高校生の方が読んでも共感できるのではないでしょうか?
文庫版だと上巻・下巻と、読書量が多いので読むのに抵抗があるかもしれませんが、全体的に難しいところもなかったので読みやすかった印象です。
気になっている方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか?
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